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retro architecture

 


沖縄のなかのアメリカ

SPICE MOTELは、沖縄では「中部」と呼ばれる地域にあります。
普天間飛行場や嘉手納基地など米軍基地を有するエリアなので、
南部の那覇や、北部のリゾート地では見かけることが少ない、
アメリカ人(軍で働く人、その家族)が多く暮らしています。

アメリカだけではありません。
戦後に来日してテイラーを開業したインド人家族、
またメイドとして働いたフィリピン出身の人たち、
そしてブラジルやペルーから帰国した沖縄の移住者など、
日米以外のカルチャーも、中部では街に色濃く息づいています。

戦後の米国統治時代を経て1972年に日本へ復帰した沖縄ですが、
ここ中部には、現在進行形でアメリカなど多様な文化が存在し、
それに日本と琉球の文化がボーダレスに融合しているのです。

これまで観光地として注目されてこなかった中部ですが、
美ら海や国際通など、定番の観光では知り得ない沖縄のリアル、
それがこの地域の魅力なのだと、私たちは思っています。

なので、SPICE MOTEL滞在中に訪れてほしいお店や場所、
やってほしいことなどをリストアップしてMAPにしたり、
中部をフィーチャーしたフリーペーパーを作ってきました。

※画像クリックでフリペの中身が読めます

 

沖縄のレトロでアメリカンな建築

SPICE MOTELのすぐ近くには、
アメリカ統治時代に建てられた希少な建築が、
いまも現役で存在しています。

■プラザハウス ショッピングセンター(1954)

アメリカ本国の文化を反映した、
日本初のショッピングモールと言われています。
時代とともに変化して今も魅力的なテナントがいっぱい!
※画像はWikipediaより。PLAZA HOUSE のHPはこちら


■A&W 屋宜原店(1963)

マクドナルド日本上陸の8年も前にopenしたバーガー店
普及前のマイカー文化を想定したドライブイン型レストラン
早朝から深夜まで営業する現役で、地域住民の馴染みの店
※画像は同社webより。同店のHPはこちら


■外人住宅(1950年代後半〜)

基地内では足りずに基地の外にも建てられた米軍関係者の住宅
日本では珍しいコンクリートブロック造のフラットハウスで、
1970年には基地の外だけで12,000戸以上あったとされます。
近年、カフェなどショップとして再生されるものがある一方、
メンテナンス不足による老朽化で、解体される外人住宅が多い。
※写真上 EMホテル前のハイクラス向け外人住宅街

 


※数年前に解体されてしまった西普天間地区住宅群

 

すでに大切な文化遺産です

SPICEも1970年建築なので、もうビンテージの仲間入りですね。
戦災や塩害で、古い建物がほとんど遺ってない沖縄では、
半世紀以上前に建てられたこれらの建築物は文化遺産であり、
20世紀沖縄の生き証人として、末長く残ってほしいものです。
いや、残すべきです!

本土や海外から沖縄を旅行する人々には、
中部での異国の文化を味わう旅、そしてレトロ建築を訪れて、
時代をタイムスリップしたかのような体験をしてほしいです。

さぁ、沖縄の「レトロでアメリカンな建築」を見に行こう!


※画像は建築当時を再生再現したモーテルの客室
詳細はこちら


※本の紹介 沖縄島建築